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「合わない人」と、それでも協働していく知恵|MBTI×システムコーチングというアプローチ

POSTED: 9月 30, 2016, 11:17 am

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ダイバーシティ&インクルージョン

「ダイバーシティ&インクルージョン」って、今の日本社会の本当に大きなキーワードになっています。Googleの検索ボリュームを調べると、月間検索ボリュームが「ダイバーシティ」で10万~100万もあります。(「インクルージョン」で1,000~1万程度)。

ちなみに、適当に抜き出した他のキーワードの平均月間検索数と比べると、

・ダイバーシティ     10~100万
・iPhone         10~100万
・人工知能         1~10万
・安倍首相         1~10万
・インクルージョン   1,000~1万
・北朝鮮 核実験    1,000~1万

と、「ダイバーシティ」はiPhone並みに検索されているバズワードであることがわかります。人口知能や安倍首相も、今の日本の社会環境を考えると重要な要素ですが、ダイバーシティの検索数はその10倍です。

また、「北朝鮮の核実験」なんて、日本の安全保障体制を揺るがしかねない大問題だと思うのですが、「インクルージョン」の検索数はそれとほぼ同等です。

「目に見える」ダイバーシティと「目に見えない」ダイバーシティ

「ダイバーシティ」には、「目に見える」ものと「目に見えない」ものがあります。「目に見える」ダイバーシティとしては、男女差や人種、年代の違いのようなものがあります。もちろん例外はありますが、これらの差異は目に見えやすい。

一方で、「目に見えない」ダイバーシティというものがあります。その人の中にあるもので、身体的・物理的なものもありますが、多くは考え方感じ方価値観などの頭や心の中にある多様性です。

多様性理解の出発点として「性格」の問題を考える

「目に見えない」違いって、往々にしてトラブルを引き起こします。「同じ日本人なんだから/同じ会社に勤めてるんだから/同じ環境で育ったんだから、分かり合えるはず」、と無意識に期待してしまう。

でも、分かり合えないんです。だって、違う人なんだから。

違う価値観、気持ち、感性、考え方を持った人と本当に分かり合うのは大変です。

特に、性格に由来する認知の違いは、そもそも違いがあることに気づきにくい。

性格以外の「目に見えない」違い、例えば、宗教や信条(例えば政治的立場)などは比較的違いを認知しやすい。なぜなら、これらは「〇〇教」や「〇〇党支持」というように、名前がついているからです。

そして、最も違いが分かりにくいがゆえに、この個人の性格のダイバーシティを扱うのは本当に面白い。というのも、性格の違いからくる他者とのいざこざは、誰しも感じたことのある身近な問題だからです。そして性格のダイバーシティ&インクルージョンが理解できると、納得感をもって「違いを受容することが社会で生きていく上で重要だ」ということに気づきやすい。

性格の多様性が生む「苦しさ」や「気持ち悪さ」のような負の側面を知り、同時にその多様性が生む「補完関係」や「成長」や「シナジー」などの正の側面を知る。ダイバーシティ&インクルージョンが抱えるポジティブとネガティブの両面を同時に学ぶにあたって、「性格の多様性」は本当に良い教材になります。

MBTI×システムコーチングというアプローチ

そして、「目に見えない」ダイバーシティの出発点として、本当に良い気づきを与えてくれると思っているのが、「MBTI」と「システムコーチング」を組み合わせたワークショッププログラムです。

MBTIは心理学者ユングの理論をもとにした自己・他者理解のメソッドで、毎年全世界で500万人が受検をしています。(MBTIについてはMBTI協会のHPを参照ください。また、私の個人ページ「MTBIとは?:MBTIが人生に役立つ3つの理由」でもMBTIについて書いています)

個人の性格を知るためのツールやメソッドはいくつもありますが、私は好んでMBTIを使っています。性格の「真逆」を構造として体感することが出来るのと、ユングの理論に基づいた深い示唆が出るからです。

そして、MBTIはシステムコーチングとの相性が非常に良い。それもそのはずで、システムコーチングの源流はプロセスワークで、MBTI同様にユング心理学が出発点になっているからです。MBTIもシステムコーチングも、ユングの「全体性へ向かう」という大きなテーマを哲学として共有しているように思います。

「違う国の人だ」と思えば対応は変わる

MBTIとシステムコーチングを組み合わせたワークは色々ありますが、私が良く使うのはランズワーク(R)とMBTIとの組み合わせです。ランズワーク(R)は違いを「国の違い」というメタファーを使って表現し、体感するシステムコーチングのツールの1つです。

ワークでは、MBTIの性格タイプの違いを「国の違い」として表現し、各国を旅していきます。あくまで旅なのでそこに「永住」する必要はありません。違う国を旅する中で、その国の「当たり前」を体感しつつ、同時にその背後にある「大切にされている価値観」を学んでいきます。その上で、異なる隣国とどう付き合っていくかを考えます。

自分の国は世界に沢山ある国々の1つです。「違う国の人だ」と思えば、違いがあるのは当たり前で、その上でどう付き合っていくかという考え方になります。国のメタファーを使うことで違いを受容(=インクルージョン)しやすくなります。

このワークはこれまで企業向けや一般向けで多くの人に一段深い自己・他者理解の気づきをもたらしてきました。

システムコーチングは誰もが同じように認識できる世界(コンセンサス リアリティ)の奥にある、感情や価値観の「極」が交流する世界(ドリーミング リアリティ)や言葉にはならない何かが漂う世界(センシェント リアリティ)を扱います。

その為、「他の性格タイプの国を旅行した時の体の感覚が強烈に記憶に残っています」という方が多く、言葉にならない次元でダイバーシティ&インクルージョンというものを理解するのに役立ちます。

MBTI×システムコーチングのアプローチを体験する

「システムコーチング×MBTI」の一般公開のワークショップは、不定期ですが東京で年2~3回程度開催をしています。また、企業などの組織開発の一環で個別に行っています。

ご興味がある方は「こちら」から登録して頂ければ、次回開催のご案内を差し上げるように致します。

渡辺寧

AUTHOR:渡辺寧(わたなべ やすし)

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。 2014年に独立し、現在は「人と組織が変わること」に焦点を絞ったコンサルティングに取り組んでいる。プライベートではアシュタンガヨガに取り組み、ヨガインストラクターでもある。

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